ビジネスモデル

これからの事業に欠かせないビジネスモデルは12パターン!体系的に知れば応用が利く。「事例とケースでわかる ビジネスモデルの基本」という書籍の概要を紹介します!

最近とてもためになる本に出会いました。「事例とケースでわかる ビジネスモデルの基本」です。ビジネスモデルが体系的に網羅され、自社他社問わず、いずれかに当てはめて考えることができます。新しい事業を考えるうえでは短い時間で判断材料ができるので特に有効だと思いました。こちらでは概要を列挙していくのみですのでぜひ詳細をお読みください。書籍へのリンクは最下部に紹介しています。

ここでの前提

利益

利益には金銭利益と非金銭利益がありますが、ここでは金銭利益を指すことにします。また商品自体の魅力を判断できる【「売上総利益」=売上ー粗利】と事業の魅力を判断できる【「営業利益」=売上ー粗利ー販売管理と一般管理費】に分けられますが、両方を考慮することにします。

利益率

重要な指標に利益率がありますが、業界により多様です。クレジットカード金融業、インターネット付随サービス業、鉱業は利益率が10%を超えます。逆に3%以下は飲料小売り業、自動車小売業、食品製造業、ガス業です。

また費用も重要です。

売上が固定費を超えると利益率が急上昇するものが固定費型ビジネス、一方受注してから経費が発生するように設計する変動費型ビジネスがあります。変動費型はリスクを抑えて割の良いビジネスを設計することができます。

ビジネスモデルパターン基本の21種類

ビジネスモデルのパターンはどのような企業や商品について、どのような市場や顧客に対して、どのような目的で採用するかを考える元となります。組み合わせで競合と差別化をはかります。組み合わせは相性が良いことにより機能します。

自分の会社だけでなくお客さまの会社がどれに当たるのか考え素早く事業構造を理解すると、経営には何が重要かが見えてくるとのことです。

利益の視点 利用する目的 基本の21種類
顧客基点 ネットワークの経済

多くのユーザーに利用してもらうことで使ってない人も使わざるを得ない状況を作る!
例:LINE上で宅配を依頼できるようにするためヤマト運輸がLINEと提携

フリーモデル
オープンソースモデル
C2Cモデル
囲い込みの経済

ファンにして継続的な利用状況作り出す。例:ハーレーダビットソンの熱烈なファンクラブによってグッズ売上がバイク売上と同額

基盤モデル
中核モデル
既成事実化モデル
商品基点 範囲の経済

商品ラインナップを増やす、能力や資源で多角化する。例:中国のスマホメーカーのファーウェイがノートPC事業に参画。

商品ライン拡大モデル
販路拡大モデル
事業拡大モデル
経験経済

商品の価値だけでなく商品を通じた経験を商品の差別化とする。例:コンサルタントの経験を問題解決のサービスとして提供。ITベンダーが自社ソフトに関する教育を資格関連サービスとして提供。

ソリューションモデル
教育モデル
ソーシャルモデル
時間の経済

商品価値を時間軸でとらえなおす。例:10分で1000円カットのQBハウス。リース、レンタル、シェアリング。

時間分割モデル
作業分割モデル
時間市場化モデル
資源基点 規模の経済

大量生産によるコスト最小化。例:固定費の高いもので一定規模以上の売り上げが必要なもの。ほとんどの日本の大手メーカー。

スケールモデル
シェア拡大モデル
低コストデザインモデル
外部化の経済

一部の業務に特化するため、他業務をアウトソージング、連携を行う。アップルはソフトとUI重視。電子機器の生産はEMSにより外部化。

資源集中化モデル
資源保管化モデル
資源外販化モデル

ビジネスモデルと事業戦略

事業戦略で大切なのは顧客の創造と競争優位。そのためにビジネスモデルを活用します。

事業戦略は競争優位の実現手段

競争優位のアプローチ方法

1、商品

商品は性能や機能、イメージの違いで競争します。今の成熟期では驚くような商品を開発するのは至難の技。そのためイメージ戦略が主流となっています。

2、オペレーション

オペレーションは表に見えにくいのでマネされにくく有効です。業務効率化によるコスト削減がこれに当てはまります。が、日々の改善活動の積み重ねという側面もあり時間がかかりすぎるきらいがあります。※例:トヨタのカンバン方式など。他「見える化」など。

3、ビジネスモデル

またビジネスモデルは「利益を生み出す仕組み」です。外からは見えにくいので差別化に有効です。例えばヤマト運輸は「個人向けの宅配はもうからない」が主流だった業界で配送密度をあげて利益を向上させました。ゴルフ宅急便やクール宅急便などの商品を開発する一方、配送車両の開発、貼り伝票方式、荷物問い合わせシステムなどのオペレーション向上の取り組みなどにより商品やオペレーション、ビジネスモデルの3位一体で競争優位に立ちました。

戦略手法

コストリーダーシップ、差別化、ニッチ3つの切り口があります。

1、コストリーダーシップ

どこよりも多く作り価格交渉を有利に進める手法です。規模の経済のスケールモデルに該当しますがパナソニックやホンダがよく採っていた手法です。どちらかというと古い戦略のため、現在の成熟市場では通用ししないといわれます。成熟市場では細かな工夫で小さなパイを取り続けたりするニッチや外部と連携して早くシェアを獲得する戦略が採られることが主です。

2、差別化

競合と比較して機能や性能で優位性を獲得します。しかし成熟市場では難しく別の面で優位性がほしいところです。イメージ戦略やブランド戦略などで心理的な効果で競争する、例えばペットボトルのラベルなどのデザインで見かけの演出がするなどが効果的です。しかし一時的で模倣されるので効果は小さいといわれます。そのためビジネスモデルでは時間の経済や経験経済を採り差別化を考えます。時間の経済では自動車業界のレンタルやシェアリング市場、経験経済ではモノよりコトへ消費スタイルの変化が挙げられます。

3、ニッチ

細かな工夫で小さなパイを取り続ける手法です。

ビジネスモデルと事業開発

事業計画書の作成

1、緻密な計画の前に数日で作成する簡易版を作ろう!

  • 目的・目標→
  • 外部と内部環境分析をネット含め調査→
  • 機会と脅威強みと弱みを洗い出す(SWOT)→
  • ビジネスモデル選択→
  • 成果の推定(売上・利益・成長・リスク)→
  • 体制

2、初期段階で収支見直しをしよう!

例:QBハウスの場合

  • 資源:理容師、美容師、店舗、長髪台、券売機
  • ↓【カットのみの調髪提供】
  • 商品:カット作業に特化したサービス 時間価値(10分)で低価格(1000円)
  • ↓【自社店舗】↓【カットカルテ】
  • 顧客:仕事途中のサラリーマン 高齢者 学童
  • ここまで落とすとある程度見通すことができる
  • ランニングコストは人件費と店舗費用、売り上げは見込み顧客数と営業時間、リスクは人手不足による人員不足
  • ※現在スタッフ育成事業開始

ビジネスモデルの変化

外部環境には逆らえないのでトレンドを理解し対応していく必要があります。

製造業

工業生産が始まってからの考え方に「販売量が2倍になることでコスト比率が20~30パーセント改善する」というものがありますが、最近は別の形態を採用することで利益を上げる企業が増えました。製造業のビジネスモデルは一番変化が激しいといわれています。

1、大量販売型から販売予測型へ

大量販売型の弱点はコントロールできない景気変動です。景気変動の予測が重要なリスク対策です。在庫圧縮の工夫をするビジネスモデルは以下があります。

  • コマツ:建設機械GPSを取り付け稼働状況を把握。確認後生産量を調整する。
  • 国内外で相互補完(クロスソーシング)
  • 生産と販売拠点の一体化(地産地消)
  • DELL:注文後に部品を発注し生産
  • トヨタ:生産ラインにカンバンをたて見える化

2、垂直統合型から水平分業型へ

これまでメーカーが企画から生産までを一貫して行ってきました。が近年特定の業務に専業特化する水平分業型が主流となりました。(電子機器の受注生産に特化した事業形態:EMS 台湾のフォックスコン) 。受注元請け企業との密な連携が必要です。

3、製造型からサービス型へ

過去、製造したら御終いでしたが、近年ではその後、関連のソリューションビジネスを担うことが多くなりました。
日野自動車は新車販売の後、中古車販売からファイナンス、リース、コンサルティング、アウトソージングで利益の大半を稼いでいます。またソニーは生命保険などの金融業をグループ企業として収益のバランスを採っています。

小売業のビジネスモデルの変化

1、大規模から小規模小売へ

端的な例としてコンビニが挙げられますが、小さな商圏で少ない商品を正価で販売し、逆張りにて全国ブランドからプライベートブランドを手掛けて利益を得ています。

2、百貨店からアウトレットへ

豊富に集められた商品を見に行くこと自体がイベントだった時代から、安くてよいものが手に入る時代になりました。百貨店は接客能力の向上でホテル並みの体験を提供したり、テナントの貸し出しで収入を得ています。品揃え重視においてはシーズン落ちを割安な価格で販売をします。(アウトレット)これにより消費者心理も変化し安くてよい商品が大量に出回るようになったため「高品質だから高価格」が利かなくなりました。

3、店舗販売型からECデータ管理型へ

30,40代デフレ体験世代は特に接客よりも正確な情報を重視し合理的な判断で購入するようになりました。
例:ゾゾタウン(ファッション特化型ECサイト)の委託販売量は28%と割と高めです。しかし利益率40%で伊勢丹を超えています。なぜ委託するメーカーが増えているかというと、委託販売された商品を在庫で預かるところから発送までの一連を代行していることが挙げられます。さらに過去のアクセス履歴や購買履歴に基づいて顧客との人間関係構築(CFM)を実現しています。CFMにより最適なタイミングや頻度でメッセージを送ることを自動化しているのです。ECならではの強みを最大限に活用しています。

新規事業におけるビジネスモデルの変化

以前は事業の運営コストが高いため大手企業がシェアを獲得することが普通でした。が、近年インターネットによる生産から営業、宣伝、販売などの業務代行サービスが提供されてきた背景があるため資本は必要でなくなりベンチャーが活躍しています。またそのまま大手を引き離し事業規模を拡大する時代になりました。→先行者利益型。例:グーグル(人工知能のサービス)

仲介サービスやシェアリングは買い手と売り手の数がそろうまで利益を上げにくく、事業初期が経営困難になりがちです。しかし大手が大きくなるまで投資を行い育て、市場のリーダーになるまでシェアを狙っています。今後は人工知能やフィンテックにその傾向がて強まるでしょう。

ビジネスモデルと利益

ビジネスモデルと利益の時間軸

  • 短期利益:旬な事業は早く着手し立ち上げるのが鉄則。模倣されやすいウェブサービスなど。
  • 長期利益:コミュニティ、仲介ビジネスは人が集まらないためフリーモデルにて顧客基盤を形成する。課金は母集団の5%。顧客増加時に広告をうち一気に増やす戦略が必要。

利益の見える化

利益方程式

  • 売上ー費用=利益
  • 顧客数×単価ー(仕入原価+製造原価)=利益
  • (新規顧客数+リピート客数)×(本体価格+オプション価格)ー(仕入原価+製造原価+販売費+管理費)=利益

どの要素が利益に貢献しているか?単価はどこまで上げられるか?が判断できます。また分解できることは事業を理解できている証拠です。

利益ツリー

〇利益増
┗売り上げ増
┗販売数→客数増・商品数増
┗単価増→付加価値工場・価値細分化
※飲食業であれば座席数、注文額、営業日数。通販業は会員数、月額販売額。コンサルなら案件数、時間フィー、プロジェクト所要日数

┗コスト減
┗固定費→人件費・設備費・拠点費
┗変動費→材料費・仕入原価・販売手数料
※コスト減方法:標準化、機械化、外部化

市場環境に応じて利益を上げる

1、導入期で利益を上げる戦略

他社に先駆けて商品を出し、特許・販売チャネル構築など後発者の参入阻止を図ります。アップルは利益シェア9割となりました。

2、成長期市場で利益を上げる戦略

フリーモデルにより顧客の最大確保を図り囲い込みます。その後一気に改良版をだし顧客離れを防ぎ新製品を継続投入することでライバルを振り切るのです。体力が必要なためうまく適応できる力を持つ企業が残ります。開発拠点を作り上げるため資本が必要です。フランチャイズ、販売提携、資本提携で手段を検討し拠点網の拡大が有効です。

3、成熟期市場で利益を上げる戦略

大きな利益は生めない時期です。市場の成長より「一人当たりの販売額の最大化(リピート、関連商品購買、シェア、提案)」「運営コストの最小化(自社か、外部化か?)」が求められます。

4、衰退期市場

残存者利益:最後まで残ると高価格で商品を販売することができます。

ビジネスモデルの要素 ビジネスモデル・キャンバスとその利用法

ビジネスモデルの3要素

1、顧客要素

  • 地理的な属性(居住地、勤務地、気候)、統計的な属性(年齢、性別、家族構成、所得、職業)、心理的な属性(ライフスタイル、ワークスタイル)を洗い出し購入しそうな人を絞り込む
  • 広く網をかける→多くに広告を打ち反応を見て共通項を探しその層に重点的にアピール
    方法:1、顧客属性に合わせたサイトの構築、SEO対策、マスメディアへの出稿。ペルソナは明確にし来るもの拒まずで幅広い顧客層を狙う。
  • 法人か個人かについては従来のように絞り込まず事業を始めるケースもあり→個人顧客の利用に応じて企業が広告を打つなど。

2、商品要素

価値設計

  • 機能価値:性能や機能
  • 感性価値:顧客の感性に合う
  • ソリューション価値:問題課題を解決する

早めにプロトタイプを完成し使ってもらいながら機能価値だけでなく感性価値やソリューション価値を見極める(実用最小限の製品MVP Minimum Viable Product)

そもそも価値は顧客が創造するものとして価値を設定します。

価格設計

  • コストプラス法:コストに利益を加え算出
  • 顧客価値法:顧客の値ごろ感から算出
  • 競争価格法:競合製品の価格から決定
  • 顧客価値法:近いジャンルなどから比較して設定。顧客が多いほど価格額の違いが売り上げを左右します。

3、資源要素

  • ヒト:アサインできる人材が実現できるビジネスモデルに影響します。給与の倍は見積もる。
  • モノ:どこまで自社保有するか、どのように外部連携するか検討します。
  • カネ:ベンチャー→初期投資、人件費、事務所費はどの程度必要か?既存企業→どこまで会社が肩代わりするか?
  • 情報(商品・技術・営業顧客情報・ブランドイメージ・ノウハウ):情報管理体制整備が重要。
  • 時間(迅速な独自の仕組み):誰がやっても同じように成果が上がるマニュアル化など仕組み化されて時間資源となる。

顧客、商品、資源を連結する要素

〇顧客と商品を連結する要素

流通

  • ウェブサービス:自社サイトでの販売かパートナー企業通じての販売か
  • 対人サービス:自社か販売特約店か(FC VC)

CRM(顧客関係管理)

  • 金銭的なもの:ポイントプログラム
  • 非金銭的なもの:自転車部品のシマノの例→競技大会の無償提供、チューニングや修理の無償提供

〇商品と資源を連結する要素

業務:標準化、マニュアル化により人に依存しないで業務が遂行できるようにする。単純作業のコストを下げるのが重要。今後は機械化へと繋がる。センサーはIOTを経理監査受発注はRPAへ。

ビジネスモデルキャンバスの利用法

事業構想段階

  1. 複数のビジネスモデルをかき出し絞り込む
  2. 顧客・商品・資源を起点とするビジネスモデルパターン考案→例:フリーモデル型が適用できないか?
  3. テーマごとに整理する

評価軸 具体的な評価内容 A案 B案 C案
成果度評価

事業そのものの評価

期待成果 売上・利益・成長性の大きさ、他事業への波及度合い
投入資源 人的、金銭的投資の大きさと制約条件の海
リスク対応 環境と社内のリスク、リスク対策の可能性の有無
スピードタイミング 立ち上げ時期を管理できるか
適応度評価

自社に合うか、実行しやすいか

理念文化との適合性 自社人財によるスムーズな事業化が可能か
トップの関与度の高さ トップが積極推進してくれる領域か
実務責任者の有無 社内での存在、外部からの調達可能性

事業計画段階

ビジネスモデルキャンバスは書籍(P82)にてご確認ください。

事業準備段階

作業をに分解しだれがいつまでにやるかを見える化します。

  • 顧客→顧客調査、業界調査
  • 商品→技術調査、競合調査、アイデア作成、商品仕様立案
  • 資源→原価管理、販売実績
  • 流通→流通計画、コミュニケーション計画

作業ガントチャートは書籍(P83)にてご確認ください。

引用元、参考にした書籍は以下です。こちらの書籍はその他各パターンが詳細に説明されています。
事例とケースでわかる ビジネスモデルの基本 著者:末吉 孝生

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